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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第49章 合宿2日目





「私、名前ちゃんが監督ってまだ信じられない」

『残り半年もないけどね』

「監督続けないの?」

『一応受験生なんだけど?』

「そうじゃなくて、白金監督みたいに…」

『たまに顔を出す程度でもってこと?』


コクリと頷き肯定を示す彼女の声は少し小さい。その声が聞こえるくらい、本当に怪談話してるのかってくらい部屋の中が静かだなと思いながら、天井を見る


『その考えもなくはないけど、あたしはキセキの世代が心配だから白金監督の代わりに入っただけだよ』

「ってことは?」

『来年からはコーチに監督を譲るよ。あんな問題児をいきなり従えろって方が無理でしょ?』

「名前ちゃんカッコいい…!」

『何かやけに最近カッコいいって言われるな』


就任1年目にあんな奴らがいたら可哀想だよなぁと思って溜め息を吐く。別に監督扱いされているかと言われるとそんなことはない

月バスとかは面白がって監督として取り上げてくれるが、結局のところ白金監督の時のように真田コーチがほとんどやってくれているため名ばかりの監督なことは間違いない

もうバラバラにならないと確証があればマネージャーに戻ってもいいんだけどと、そんなことを考えていると手の感覚がおかしいことに気が付く

さつきにバレないように確認しようとすると目の前の扉が勢いよく開く。1年生が2人、飛び出してきた


「ウギャァァァ!」

「ちょ、オレまで引っ張んな!」

『はい。2人練習10倍』

「「ギャァァァ!」」


ただ可哀想なので1日にいきなり10倍とかじゃなくて少しずつ消化させようと考えた。ちゃんと優しい心は持ち合わせている

あたしが監督じゃなくなってもコミュニケーションの一環として続けてほしいがやってくれるだろうか

次の話に進んだのを確認しながら肝試しが怖いのか練習10倍が怖いのか、震える彼らの名前に脱落と書いてもらった




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