第7章 遊園地
ほかの人が降りたのを確認してから馬車から降りて出口へ向かう。征十郎達は先に降りたのか姿はなかった
だが忘れていた。彼らの見た目が良いことを
まだ黄瀬涼太という存在がいないにも関わらず彼らはこの短時間で女性に囲まれている。メリーゴーランドに乗っていた姿を目撃して待ち構えていたのだろうか
『あの群れに行く?さつき』
「ちょっと嫌だよね」
『待ってよっか?』
「そうしよー」
とりあえず彼らが群れから出てくるまでの間近くで待っておくかとベンチに座ってさつきと話していると、目の前に人影が現れる
やっと彼らが解放されたのかと顔を上げると、全然知らない男の人達が立っていた
「そんな座っちゃってて暇なの?一緒に回らない?」
『…連れがいるんで』
「え!オレらもまだ人いるからさー、みんなで回ろうよ」
『結構です』
高校生か大学生なのだろうか、冷たくあしらっているが彼らはなかなか引こうとしない
流石にうざくなってきたので去ろうかどうしようかと悩んだその時、赤い髪が前を横切る
「オレ達のツレだ。諦めてもらおうか」
「…なんだコイツ」
「おー、遊園地でナンパか?やるな」
気がつけば他のみんなもこちらに戻ってきていた。うっとおしかった彼らを見ると「でけえ…」と呟く
確かにナンパしてきた男たちに比べたらだいぶでかい。征十郎以外
そそくさと逃げていく彼らに高校生だか大学生だか知らんがこれくらいで逃げるとは度胸が足りないなと思わず笑ってしまった
『みんなナンパ撒いたの?』
「オレは行っても良かったんだけどよ、赤司に止められた」
「お菓子買ってくれるって言ってたしねー」
「行くなら勝手に行け。オレは行かないのだよ」
「今日はみんなで来てるんだ。行くならまたの機会にしてくれ」
「そうだよ大ちゃん最低!」
「お、オレだけかよ!」
様子を見る限りさつきも特に怖がっていたりしないようなので安心した
その後、特に邪魔などは入らず色んなアトラクションに乗り、お土産を買って行き同様赤司家リムジンで帰宅をする
帰り道みんな疲れて寝ており、寝顔が幼かったので忘れないよう目に焼き付けておいた