第86章 ヒーリング・アイ
バスの中、征十郎の隣でコーチに預けられていた体調管理の紙やスコア表、その他もろもろを確認していく
…自分の書いたやつ見ても特に意味はないんだけれどね
『今回征十郎、得点少ないね』
「光と影に暴れてもらっただろう?」
『あぁ、テツヤにパスしてたんだ』
「前半はできるだけ貢献したから、その分だろうね」
『納得した』
バスの中だと書き足しできないよなぁ。と思ってとりあえず確認のみしているのだが、ここでちょっとミスった
『征十郎』
「なんだい?」
『酔った』
「…バスにか?」
『文字、見るんじゃなかった…』
口元を押さえながら猫背になって、頭が痛いのを我慢しようとする
別にリバースはしないと思うけど、気持ち悪い。うん
「とりあえず前のめりになるのはやめておくといい」
『ん』
「あと、横になっておくといい」
『…横?』
「ああ」
そう言ってあたしを横にさせる征十郎
ちなみに体制は、征十郎のももの上にあたしの頭があるという。つまり膝枕的な体制だ