第85章 バスケ部の聖母
「#NAME1#ちゃん、タッパー持ってきたよ!」
『ん。ありがと
てことで、レモンの蜂蜜と砂糖漬けを作ってきたのでどーぞ』
「…#NAME1#さん、意外と女子力高いですよね」
『なんの話だよ』
「女子力の話です」
『…うん。ありがとう?』
モグモグとレモンの蜂蜜漬けを食べながら女子力の話をするテツヤははっきり言って不自然だった
でもまあ、女子力高いって言われて悪い気はしないけれども
「#NAME1#ちんお母さんみた~い」
『…それ調理実習の時にも言ってたよね』
〈第3Qを始めます…〉
「黒子っち、俺の代わりに頑張って来るッス!」
「黄瀬くんに言われなくても頑張ります」
「ヒドッ!」
『まあ、それは置いといて
大輝にテツヤ、おもいっきり暴れてきな』
「おうっ!」「はい」
あたしの隣に座ってすりすりと甘えてくる涼太
その姿は甘えている犬にしか見えなくて、少し困った
「#NAME1#っち本当にお母さんみたいッス!」
『え、せめてお姉ちゃんがいい
こんな問題児もつのは嫌だ』
「バスケ部の聖母ッス!」
『…ダサい』
「ええ!?
ひどくないッスか!?」
『そう言われてもなぁ…』
でもそういう異名があるのってカッコいいよな
キセキの世代とか、幻の6人目とか…でも聖母はダサい
まあ、いいんだけど(言ってること逆)
「#NAME1#っち、青峰っちだいぶ変わったみたいッスね」
『うん。練習出るようになったしね
本当に変わってくれて…良かったよ』
あたしと涼太の目線の先には拳を突き合わせてある大輝とテツヤ
その光景がとても綺麗で少し見惚れた