第48章 最後の合宿
例年の如く合宿へとやって来た帝光中バスケ部
練習前である今はいつもと違う空間であることにテンションをあげている人が多いが、もう少しすると地獄化することは目に見えている
「青峰っち!練習終わったら1on1するっス!」
「おっし、受けて立ってやるよ」
「そんなに余力があるのかい?夜には肝試しなんだが」
「ぐっ…やめとくっス!」
元気な彼らが最後まで元気かどうかは分からないが、先にテツヤ用のバケツは用意してあるし、救急箱も用意してある
問題ないだろうと頷いているとさつきが手を振りながらこちらに向かってきていた
「名前ちゃん!何時から始めるの?」
『そうだな…練習始まってすぐくらい?』
「分かった!買ってくるものとかは?」
『事前に用意してあるよ』
「さすがだね頼りになるなぁ」
ニコニコしながら「楽しみだなあ」というさつきの後ろから赤い髪が揺れているのが見える
あたしに用があるのか、目が合うと片手をあげた
「名前、桃井、夕食後のことなんだが」
『とりあえずこのあとすぐに準備に取り掛かろうと思ってるよ』
「赤司君は?こっち側なの?」
『主催者だからね』
「明日への負担が気になるが…まあいいだろう
せっかくの機会だ。よろしく頼むよ」
『任せて』
「はーい」
輪の中に入りコーチと共に練習を始める合図を始めた征十郎を横目に、さつきから「行こう!」と言われたので一足早く宿泊場所へと向かう
どうかその元気を夜まで取っておいてくれと願いながら、これからのことを考えて2人で笑った