第48章 最後の合宿
そんな出来事から過ぎていきあっという間に4月末
練習が終わり片づけをしていると先ほどまで青峰と1on1をしていたはずの涼太が抱き付いてくる
「名前っち!」
『抱きつくなって何回言えばわかるんだ』
「だって名前っち大好きなんスもん!」
『あそ』
「それより名前っち!オレバスケ部入ってから1年経ったんスよ!」
『…ああ、そんな時期だったっけ』
もう1年経ったのかと時の流れの早さを感じながら、涼太ざブンブン尻尾を振っている幻覚が見え、疲れているのかと眉間を押さえる
「お祝いしてほしいっス!」
「ちょっと待て黄瀬、それならオレらも2年経ってんだよ!」
『…はぁ』
「てことで苗字、オレらのこともお祝いしろ」
『オメデトー』
「「棒読み!!」」
それならあたしだって2年経ってるんだからお祝いしてもらう身じゃないかと、騒いでいる涼太と大輝を見ながら溜め息を1つ吐く
「オレの方が入ったの早いんだから先輩だろ?敬えよ」
「それならオレの方が誕生日早いっス!青峰っちの方が2ヶ月遅いんスから、後輩っスよ?」
『(それなら本来のあたしもっと年上なんだけど)』
「だから先輩に譲れよ」
「年上敬うっス!」
『お祝いがなんで敬う話になってんだ』
「名前っち、プレゼントほしいっス!」
「オレにもくれ」
『誰がやるか』
「簡単なのでいいっスから!」
『ふーん?』
ニヤリと笑うと、涼太の顔がやっちまったと言う顔に変わり「やっぱいいっスー!」と去っていく