第83章 ライバルが欲しい
『大輝、テツヤには…謝った?』
「謝れてねーよ」
『謝りたいと、思ってる?』
「…お前から平手打ちされたとき、後悔した
あいつ、テツになんてこと言っちまったんだって」
『…そりゃね、後悔してくれなきゃ困るよ』
遠い目をしながら大輝の話を聞き、それに相づちを打っていく
内容が1on1にならないことを不思議に思って口に出そうとすると、大輝がその話を持ち出してきた
「火神って奴との1on1なんだけどな」
『ああ、少し手間取ったでしょ
実はそれ気づいてた』
「ハッキリ言うと…あんな奴がまだ居たなんて思うと嬉しくて仕方ねぇよ」
『それは良かった』
いや本当に良かった
大輝が才能開花してそう時が経ってないせいなのか、原作5巻の1on1程の大差ではなく、むしろ接戦だったのだ
「…何か、バスケしてーな」
『それは練習したいって事…かな?』
「わりぃかよ」
『そんなことないけど』
こんなアッサリ行くことは計算外だったけど、むしろ嬉しくて自然と笑いがこぼれる
『あ、そうだ
涼太とも1on1してあげてね』
「黄瀬ェ?」
『大輝のコピーするって張り切ってるよ』
「あの野郎…俺をコピーするなんざ100年早ぇんだよ」
『100年なわけないでしょ』
そこから大輝の話があいつとの1on1は楽しみにしてやってもいい。的な話で、救えて良かったと心から実感した