第46章 虹色の卒業式
そしてついに卒業式がやってきた。卒業式で虹村先輩の姿を見て少し目頭が熱くなったが、この後彼に起きることを考えてなんとか熱くするくらいに留める
送辞を読むのは征十郎の役割だったが、答辞よりも良いことを言っており答辞を読む会長の顔が若干引き攣っていたのは笑ってしまう出来事だった
そんな感情が忙しい卒業式終了後、それぞれ各部活動で集まり先輩を見送ることになる
『卒業おめでとーございます。虹村先輩』
「ああ」
あたしの言葉に空返事しながら緑間やテツヤの頭を卒業証書の筒でポカポカ叩いている虹村先輩は楽しそうだ
「おめーらでかくなりすぎなんだよいくつだ、ゴラ」
「だいたい190くらいだと思います」
「あー、オレも緑間と同じくらいじゃね?」
「200こえた~」
「180ちょいっス!」
「170くらいです」
「165…です」
「げ、赤司と10㎝切ったのかよ…黒子はそのままでいてくれ」
「そういうわけにはいきません」
しばらくし征十郎達が他の先輩達にも話をしてくると言うのであたし虹村先輩と話をしようと残ることにした
気を遣われているのか彼と2人、温かい日差しに包まれながらこちらから話しかけていいものか考えていると、虹村先輩から話を振ってくれる
「苗字の言った通り親父は元気だよ。油断できねぇけどな」
『よかったです』
「お前がいなかったら…絶対主将やめてたわ」
『…そうならないために、頑張ったんで』
「おう、本当にありがとな」
そのままグシャグシャとあたしの頭を撫でる
頼れるお兄ちゃんが居たらこういう感じだったんだろうかと考えながら目頭がまた熱くなってきた
でも周りに泣いている人はいない。1人泣くのはなんだか恥ずかしくて、なんとかこらえる