第80章 マネージャー辞めます
しばらく走っていると戻ってくる真田監督とすれ違った
間に合わなかった…か
それでもテツヤは走り続けて橋の下に居る大輝の所へ行った
「…テツに#NAME2#か
練習はどうしたんだよ」
「…赤司くんに許可をもらって抜けてきました
青峰くん、練習に戻りましょう」
「なんでだよ?」
「…!」
「なんのために練習すんだよ?
試合に出れば嫌でも勝っちまうのに?
お前が言うように全力でやって、戦意も失せた相手をこれまで以上に叩き潰せるようになりゃいいのか?」
「気持ちはわかります。けど…」
「…わかる?
はっ…何がわかるんだよ
教えてくれよ、お前みてーに1人じゃなんもできない奴に何がわかるんだよ!」
『大、輝』
「いっそ俺もテツみてーに生まれたかったわ
その方がハリが出るぜ」
「僕だって…青峰くんやみんなを羨ましいと思う時はある
できることならダンクだってやってみたいし、3P決めたり、ドリブルで相手をかわしてみたい
けど、できないことを嘆いても仕方がない
だから僕は全力で、パスを回すために…」
「…誰に回すんだよ、そのパスは
黄瀬か?緑間か?紫原か?それとも、俺だとしたら何のために?
お前のパスがなくてももう、俺は1人でどんな奴にも勝てちまうのに?
あん時からお前のパスはもらってねぇ…ついこの間なのに…もうずいぶん昔のことみてーだ
俺は…もうお前のパスを、どうやってとればいいのかも忘れちまった」
大輝が言った瞬間、パンッと乾いた音が響いた
当たり前だ、あたしが大輝を平手打ちしたんだから
『青峰、最低…!』
苗字呼びしたのはわざとだ
だけどもあたしはテツヤと大輝を置いて走り帝光中へと目指す
そして監督の部屋に着いたとき、1つ決心をした
『監督…あたし、マネージャー辞めます』