第79章 体育祭しましょ
『征十郎!
今日はお父さん来てる?!』
「午前中のみどこかにいる言っていた
…恐らく日陰などにいると思うが」
『オッケ、ありがと!』
眼を最大に集中させて疲れてそうな人を探す(だってあの人社長だし)
ババババッと情報が入ってきて、その中で目に付いた人を見ていく
『どこ?!』
「あら、#NAME1#ちゃん
借り物競争はいいの?」
『お、お母さん
見に来るなんて言ってましたっけ?』
「ふふ、時間を少しもらっちゃった」
『…ビデオカメラで撮影はやめてください』
「愛娘の晴れ舞台ですもの
今撮らなくていつ撮るの?」
『今でしょ!って言いたいですけど今は無理です
ていうよりネタが古いです!』
「あら、ごめんなさいね」
クスクスと笑う#NAME4#さんを視界に入れつつ、周りの人を観察していく
だけれどもなかなか目ぼしい人はいない
「あ、さっき征十郎くんのお父さんに会ってね」
『どこでですか!?』
「グラウンドを一望できる階段の近くの木陰
探してたんでしょ?
行ってらっしゃい、#NAME1#ちゃん」
『ありがとうございます!
行ってきます!』
くるりと方向転換して、#NAME4#さんが言っていた木陰を目指す
…遠い!
『征十郎のお父さん!』
「橙崎の娘か…
前は大変世話になったね」
『いえ、それほどでもないんですが…とりあえず着いてきてくれませんか?』
「借り物競争か、いいだろう
征十郎の姿もよく見えるだろうな」
『もちろんです!』
征十郎のお父さんを手招きしながら走る
運動神経は良いのか、普通に走るスピードが速い(スーツなのに)
…征十郎のお父さん、ある意味怖い