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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第44章 お返しくれなきゃあげないぞ




第3者side


『ごめん、お待たせ!』

「おー名前ちゃん、遅くねー?」

『いやなんか話しかけられちゃって…』

「…あいつが名前っちの彼氏…」

「あのマフラー、赤司も同じのを持っていなかったか?」

「ああ、誕生日にもらったものだね」

「あ!あの人名前ちゃんと一緒にデートしてた人だ!」

「バッシュ買いに行ったときのか?」

「そうそう!」


苗字が目の前の人物からチョコを受け取ると、先ほど赤司が言っていたと思われる彼らがもらったよりも大きい箱を取り出し彼に差し出す

彼女が「妹と分けて」と言っていたところから2人分だから大きいんだと推測したが、今度は男性、高尾から2つ目のラッピングされた箱を取り出した


「逆チョコだって~オレも今日それやったよー」

「しかもトリュフ…不器用じゃあ出来ないっスよ!」

「しっ!名前ちゃんがそのトリュフ食べるみたいだよ!」


高尾からもらったトリュフを1つ、妹からと言っていた生チョコも1つつまみ食べた彼女は両方美味しいと言って紙袋にしまう

そのままバスケ部の監督になったことや見た目の変化を会話していると、高尾が苗字に抱き着いた


「な、なにをやっているのだよアイツらは!」

「…へぇ」

「ミドちん、大きい声出さないでよ~うっさい」

「そうだよ!バレちゃうよ!」

「何でオレが抱きついたら怒られるのにあいつには怒らないんスか!?」

「彼氏…だからでしょうか」


黒子の言葉にどこか空気を重くするキセキ達

桃井はそれをワクワクしながら赤司の顔を見ようとするが上手く見えなかった


「なんで名前さん、抱き締め返さないんですかね」

「そういう主義なんじゃな~い?」

「…普通、本当に好きなら抱き締め返すだろ」

「あ、でもオレ名前ちんにチョコあげたとき抱き締められた~」

「…返すじゃないですね」

「あらら、違った~?ごめ~ん」


苗字が高尾の頭を撫でる

そんな彼女が何を考えているのか分からないが、どれだけ経っても彼を抱きしめ返すことはしなかった






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