第44章 お返しくれなきゃあげないぞ
苗字side
1人でバスケをする彼を見つけ、今更焦ったとこでさして変わらないだろうが、足を急がせた
『ごめん、お待たせ!』
「おー名前ちゃん、遅くねー?」
『いやなんか話しかけられちゃって…』
「へーなんか大変そうだな、はい。これ妹からな」
『ありがと。じゃあこれ妹と分けてよ』
「サンキュ!」
妹から預かったというチョコを受け取る
こちらも持っていた紙袋から他の人に渡したものより大きな箱を取り出し差し出すと、ラッピングされたものがもう1つ出てきた
「これ、オレからの逆チョコな!」
『えー今年も作ったの?ありがとう』
「おう、妹が生チョコ作ってたから、その余った材料でトリュフをな!」
『え、待って中身一緒なんだけど』
「マジ?すげー偶然!」
和成とベンチに座ってラッピングされていたものを開けるとそこにはきれいな丸いトリュフが6つ並んでいた
『…ほんと女子力高いな』
「名前ちゃんのも十分っしょ、うまいし」
『な、もう食べてんの!?』
「こーいうのって弟とか妹より多く食べたくなんねぇ?」
『…そーいうもん?』
「でも名前ちゃんのことだからどーせ多く入れてくれてんだろ?」
『よく分かったね』
「当然!」
和成からもらったトリュフを一口食べると、甘さが広がった
「どう?オレが作ったトリュフの味は」
『美味しいよ』
「そりゃー良かった!妹のも食べてやって」
『…うん。両方美味しい』
あまり食べてしまうと夕飯が食べれなくなってしまうかもしれない
それぞれ1つ欠けた状態で食べるのをやめ、行きと比べ軽くなった紙袋にもらったものを仕舞った