第44章 お返しくれなきゃあげないぞ
「橙崎さんとこのお嬢さん!この間はうちの犬が世話になって」
『犬に絡まれるのは慣れてるので』
「絶対アレ黄瀬ちんのことだよ」
「うん。間違いなくあれはきーちゃんのことだと思う」
「赤司君、名前さんは帰り道こんなに話しかけられるんですか?」
「いや、オレと歩いている時は挨拶程度なんだが…」
「それって赤司の威圧がすげーんじゃねぇの?」
「青峰、それは失礼なのだよ」
「しーっ!名前ちゃんに男の人が話し掛けてきたよ!」
「あの人なら絶対オレの方がカッコいいっスよ!」
「黄瀬君、黙ってください」
「ひどいっス…」
泣いている黄瀬は放っておき、彼らの視線の先に居る苗字に感じの良さそうな青年が話しかけていた
立ち止まった彼女を見て、コイツかとゴクリと唾を飲み込みじっと見ている彼らの後ろ姿は同じ制服を着ていなければ職質されていたのではないかと思えるほど不審者である
「…彼氏じゃなく、道を訪ねてる人みたいですね」
「なかなか現れないね~」
「そーっスね…」
冬のせいか日が段々影ってくる飽きて溜め息を吐く人も居る中、いろんな人に話しかけられた苗字はストバスコートのある公園に着く
そこで1人バスケをして待つ男性が待っていた