第78章 監督の変更
「ここまで必死でずっと言いそびれてしまいましたが、今の僕があるのはあの日赤司くんと#NAME1#さんが手を差しのべてくれたからです」
「……俺は何もしていないよ
確かにあのとき俺は黒子に可能性を感じて声をかけた
けどそこからはい上がってきたのは黒子自身の力だ
しかも、その力があってこその今年の優勝だった
例ならばむしろ俺が言いたいくらいだよ」
『征十郎の言う通りだよテツヤ
あたしはテツヤにはヒントを見せただけで、何も教えてはいない
テツヤがここまで来れたのは、自分の力だよ』
「ほっとするのはまだ早いよ
俺達にはもう1年ある
来年に向けてまた気をひきしめなければ、3連覇のためにね」
「……はい」
そう言って視線を合わせるあたし達
表情は見ていてとても清々しく、これから本来起きることを信じたくなくなるくらいだ
「…ところで、赤司くんと#NAME1#さんはなぜ今日こんな早くに?」
「昨夜コーチから連絡があってね
職員室に行ったが早く着きすぎてしまってまだだったので
これからもう1度…」
『右に同じ』
「いた、赤司くん!#NAME1#!
…とアレ!?テツくん!?」
「桃井、君もか?」
走ってきたのか、とても息を乱しているさつき
…それ以外にも、パニックとかいう理由もあるんだろうな
「…どうした?
もしやもう、コーチと話したのか?」
「…それが、白金監督が……倒れたって…!」
さつきの言葉に目を見開く征十郎とテツヤ
あたしは残念ながら内容を知っていたため、目を瞑る
…お願いだから、これ以上キセキを壊さないで