第44章 お返しくれなきゃあげないぞ
昼休み、チョコが入った紙袋を持って3年生の教室にやって来た
他の学年のところ行くと見慣れない人物だからか無駄に注目浴びるんだなと考えながら、用がある人物がいるはずの教室へとやってきた
『すいません。虹村先輩居ますか?』
「あ、苗字さん。バスケ部の新監督になったんだってね、頑張って」
『…ありがとうございます。頑張ります?』
「虹村だっけ…今居ないんだけど、どーする?」
『待ちます』
「じゃあ待ち時間話し相手になってあげるよ」
『助かります。前座っていいですか?』
「そこ虹村の席なんだ。座っていいよ」
虹村先輩の席に座り、元々バスケ部で副主将をやっていた人物と話をすることになる
やはり見慣れていない人物のせいか先輩たちから誰だという目で見られるが、気にしないことにした
「虹村への用はバレンタイン?」
『はい』
「あいつばっかもらってずるいよなー」
『…先輩、もらってないんですか?』
「そうだよーゼロ!」
『あ、じゃあこれどうぞ。多めに持ってきたんで、多分足りると思います』
「マジ!?ありがと!」
紙袋からラッピングされたものを取り出し渡すと、すぐさま開けて食べ始めた
目の前で食べられるのはなんだか緊張してしまうと考えていると、後ろから声がかかる
「何食べてんだよ」
『あ、虹村先輩』
「さっき苗字さんからバレンタインにってもらったやつ」
『虹村先輩のもありますよ。どうぞ』
「…サンキュ」
「おいしーありがとね」
虹村先輩にも同じくラッピングされたものを渡すと、彼は顔を少々赤く染めながらお礼を言ってくれる
ああ、良かったと考え用事も済んだし帰ろうとすると、先輩から引き留められてしまう