第44章 お返しくれなきゃあげないぞ
『こんなもんでいいかな』
山のように出来たトリュフを一度冷やすため冷蔵庫に入れたところで携帯が光っている
和成から「ハッピーバレンタインイブ☆」と妹と作ったであろうチョコの写真が添付されていた
今年も彼と彼の妹と交換するかと、アドレス帳から彼の連絡先を探し電話のボタンを押す。数コールもしない内に彼は出てくれる
『もしもし和成?』
「名前ちゃん!何!?バレンタインのお知らせ?」
『そうそう』
「妹と名前ちゃんからの連絡待ってたんだぜー、やっと来たわ」
『待たなくていいって』
電話越しで爆笑している和成に楽しそうだとこちらも笑う
あまり長電話するのも良くないからと、申し訳ないが早速本題に入らせて頂くことにした
『明日なんだけどさ』
「おう。どこで待ってりゃいい?」
『…どこがいい?』
「ハハッ考えてないのかよ!」
『こっち真面目に話してんだから笑わないでよ』
「名前ちゃんが決めていいぜ、一応女子なんだし?」
『一応は余計。でも男子が襲われる場合もあるよ』
「オレそんな弱くないからね!?」
『あたしの周り強そうなのばっかりだからな…とりあえず明日部活終わったらメールする
去年みたいに、どこかストバスコートとかで待っててよ』
「リョーカイ!」
『じゃ、また明日』
「楽しみにしとくわ!」
『しなくていい』
電話越しで笑う和成は放っておき通話終了のボタンを押す
普段は既に寝ていてもいい時間だが明日の準備のおかげで時間が押している
とりあえずお風呂に入ってる間に冷やしてラッピングするかと立ち上がった