第2章 赤いカレ
客間へ行くと、雪さんが「仲良くなれるといいわね」と言ってくる
返答に少し困ると扉を開けられた?早いです。心の準備がまだです
部屋の中に入ると優雅にお茶を飲む男の子がいた。髪が赤い。もう一度言う髪が赤い
こちらに気づくと髪の色と同じ目をこちらに向けて立ち上がった
「初めまして、赤司征十郎だ。君のお母さん、雪さん達にはいつもお世話になっている」
…え、あ、赤司?て、あれ?
ちょっと待て、落ち着こう赤司、赤司って聞いたことがあるようなないような…いやないわけがない
平静を装え、動揺を見せるなと頭の中で何かが告げている気がして、あたしは必死に笑顔を浮かべていた
『は、初めまして。えっと赤司くん…?』
「ああ、赤司征十郎だ。よろしく」
そう答えた彼の顔をジッと見ると真っ赤な髪に目、少し童顔な感じはするがまさしくあの赤司で、血の気が引いたような感覚がした
動揺を押さえられなかったのか、赤司はあたしの顔を見て少々眉を寄せた。それでもイケメンなのは、ずるいと思う
「何で顔を赤くしたり青くしたりしているんだい?」
『あ、え、ごめんなさい。赤司くん』
「征十郎で良いよ」
『え、いや、いきなり名前呼びは、「征十郎、だ」』
強制なのかと溜め息を吐きたい衝動に駆られたが雪さんが居る前でそれはできないとこらえた
それよりもなんでここに居んの!?ここ3次元!?いや2次元なの!?
1人パニックを起こしているあたしを見る雪さんはなぜか笑みを浮かべていて、何を考えているのか分からなかった
「征十郎くん、 お父さんとお話の間、#NAME1#ちゃんのこと少しの間頼んで良いかしら?」
「はい、任せて下さい」
ふわりと微笑む赤司…いや征十郎の笑顔はどうしても「親でも殺す」のところを思い出してしまいどうしようかと悩む
脳内処理許容量を軽々越しているのでとても行って欲しくないが、雪さんはどこかへ行ってしまった
さて、彼とふたりっきりでいったいどうすればいいんだろうか