第2章 赤いカレ
事が落ちついた後、あたしを引き取ってくれたのは雪さんと雨さんの夫婦であることを説明された
引き取るまで少し時間がかかってしまったが、いろんな話をした
そしてあたしがこの家に来る前の状況も少しだけ話されたが…全然覚えはない。だけれども身体中にある傷跡がその証拠だろう
引き取るとは言ってもあたしの苗字は変わらない。そう頼んだから
雪さんは少し悲しそうな顔していたが、代わりにお母さんと呼んだら喜んでくれたのは記憶に新しい
ここまでがこの間、自分自身にあった謎の現象だけれど…あたしは死んでいるのか?落ちた時の頭の打ち所が悪かったのか?
一体何が起きているのか分からないが、答えも出てこない
ベッドの上をゴロゴロしていると扉をノックされた。上半身を起こして返事をする
「ごめんね寝てたかしら?さっきお客様が来てね、#NAME1#ちゃんのこと紹介したいんだけど…今大丈夫かしら? 」
『はい、大丈夫です』
「#NAME1#ちゃんと同い年の男の子でね、仲良くなれると思うの」
『同い年の男の子ですか』
「でもすごく礼儀正しいのよ?」
『いえ、別にそこは気にしてないのですが…』
あたしの部屋をわざわざ用意してくれた雪さんは自分の家であるにも関わらず部屋に入るとき必ず断りを入れてから入ってくる
それよりもその同い年の男の子とやらが気になる…果たしてあたしは幼いからこその無邪気さに着いていけるのだろうか…いや、高校生がこんな大人びてるのもどうかと思うけれど
「あ、小学校も同じところ通うから色々教えてもらうといいわ」
『はい、そうします』
自分より10歳近く年下に小学校のこと教えてもらってもなぁ…と思いながら軽く身だしなみを整える。髪を整えるだけでも恐らく随分と違うはずだ
雪さんの後ろをまだ短い足で付いていき、客間のドアを開けてもらう
その出会いが、あたしの運命を変えたのかもしれない