第77章 3年の引退
「ってことで、新主将は赤司にやってもらう」
「…はい」
2学期の始業式が終わった午後、虹村先輩達3年は引退
悔いも涙もなく、やりきった表情で体育館から別れを告げた
それが終わり、それぞれが3年生に言葉を言ったり遊ばれている情景の中、あたしは虹村先輩と2人で話していた
『虹村先輩が卒業ですか…信じられませんね』
「俺もまだ心のどっかで信じきれてねぇよ」
『…卒業後は、アメリカですか?』
「そうだな
親父と弟と妹も12月に渡るし、それ以外ねぇだろうな」
『弟と、妹ですか』
思い出せば、小説5巻でそんなことが書かれていたなぁと古い記憶を思い出す
ふいに虹村先輩の表情を見ると、どこか悲しげ顔をしていた
『…兄弟仲良いんですか?』
「幼いからな」
『じゃあきっと可愛いんでしょうね』
どんな容姿をしているんだろうなーと想像しつつクスクスと笑う
そんなあたしを見た虹村先輩は、困ったように眉を寄せた
「やっぱ俺、お前のこと中2に見えねーわ」
『…まあ、仕方ないかもしれませんね』
「否定しねーのか?」
『そのまま、疑ってて下さい』
「…じゃ、そうしといてやるよ」