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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第43章 百人一首大会





「名前ちん、わたあめ食べる?」

『いいの?少しもらう』

「じゃああげるー」

「焼き鳥も食うか、串」

『それはいらない』

「ミドリン今日はラッキーアイテム持ってないね」

「今日の蟹座のラッキーアイテムはスニーカーなのだよ」

「履いてますね」

「当たり前だ。人事を尽くすのだよ」

「オレはそろそろ百人一首大会に向かおうかな」

「なんだそれは」

「みんなも行くかい?」

「応援に行きます」


流石に百人一首大会に飲食物は持ち込めないだろうと紫原に持っていたわたあめを袋にしまう

会場に辿り着くと意外と人が多い。新年早々よくやるなと感心していると応援席の方に案内される

全然観客もいないので試合が始まると喋れないが休憩にはちょうどいいかもしれないと座り込んだ


「若い人もいるんスね」

「赤司君が1番若いんじゃないですか?」

「小学生もいますよ」

「オレより頭いいんじゃねーの?」

「青峰君よりはいいと思うよ」

「間違いないのだよ」


大声を出しそうな大輝を止め、百人一首大会が始まり征十郎を見守る

彼の位置が遠く詳細までは分からないが彼は上の句が呼ばれた瞬間に取っていってる。気が付けば彼の自陣の札は無くなっていた


『た、束勝ち…』

「流石赤司君…」


小声で会話している内に彼は札を集めて勝利したことを報告に向かう

テツヤや緑間はなかなか熱心に見ているが、涼太と大輝と紫原は予想通り興味なさげだ

そのまま話し込んでいる征十郎はちらりとこちらを見てそのまま向かってくる。何かあるのかと思い首を傾げると彼は小声で話しかけてきた


「名前」

『はい』

「次の試合1人足りないそうだ。出てくれるかい」

『…え?まだあるの?』

「予選の後半戦なんだが、出る予定の人が出られなくなってしまってね」

『え、緑間の方が適任じゃない?』

「名前の方が試験は出来るし、1年生の国語の百人一首、強かったじゃないか」


そうだけどそうじゃないと思いながら主催者であろう人物を見るとなんとも断りにくい表情でこちらを見つめている







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