第42章 冬休み
羽根つきで殿堂入りを果たした彼は賞品を受け取る
よく分からない表彰式が終わった後、こちらに駆け寄ってくる
「やあ、明けましておめでとう。みんなで初詣に来たのかい?」
『あけおめ、初詣以外にここに来ないよね』
「あけおめことよろっス!」
「あけおめ」
「明けましておめでとうございます」
「あけおめ~」
「明けましておめでとう!」
『征十郎初詣したの?』
「いや、行こうというところで面白そうなものを見つけてね。つい参加してしまったよ」
「じゃあ赤司君も一緒にお参り行こ!」
「百人一首大会は大丈夫ですか?」
「まだ大丈夫だ。同行させてもらうよ」
結局ほとんど集まってしまったと思ってふと彼の手にある賞品を見ると、中身はお菓子の詰め合わせだったらしく、征十郎から紫原に横流しされていた
参拝の行列に並びようやく順番が訪れる。お賽銭箱に小銭入れ、カラフルなメンバーと今年も仲良く平和に過ごせますように。とお願いをしてみた
そんなあたしの想いも知らない彼らはほぼメイン行事が終わったので好き勝手言い出す
「あ、オレわたあめ食べた~い」
「まだ食べるんですか?
「じゃあオレ肉買ってくるわ」
「おみくじはもうやったのかい?」
『まだだけど、征十郎も一緒に行く?』
「そうさせてもらおうか」
「だって!ほら青峰君、早く歩いて!」
「分かったから押すなっつーの」
「紫原っちも!そっち屋台!行くのおみくじっス!」
仲良くは過ごせそうだけど平和に過ごせなさそうだな、と願ったこととは反対の事態だが賑やかな様子になんだか笑みが零れてしまう
なんとか大輝と紫原を連れておみくじの列に並ぶ。こちらもすごい行列だったが捌きが良かったせいか思ったよりも早く順番が来た