第42章 冬休み
『そこで紫原に会った』
「みんなあけおめ~」
それぞれが紫原にあいさつを返していくなかで「この調子だと征十郎と緑間にも会いそうな気がすると」ポツリと呟くと、小さい声だが聞こえたのかテツヤが苦笑いしていた
「あー赤ちんならさっき会ったよ」
「え」
「なんか百人一首大会に呼ばれてるんだって、景品後でくれるって言ってた」
『こんなこと夏にも会ったような…』
「その大会って時間まだですよね、後で見に行きましょうか」
「赤司君なら応援しなくても勝てそうだけどね」
「間違いねえな」
まだ時間があるからと境内を進んでいると人だかりがあって盛り上がっているところがある
何かと思って人と人の隙間から覗き見ると、なんだか見慣れた赤い髪が見えた気がしたので紫原に見てもらうことにした
『紫原、あれなに』
「ん~?なんか羽根つきしてんね」
『…赤髪の男がいない?』
「火神か!?」
『いやそんなゴツくない』
「じゃあ赤司君ですか?」
『多分…』
大勢の人の間から赤い髪の人が見えて、その隙間を縫うように進んでいくと征十郎が羽根つきをしていた
相手の顔は墨で丸を付けられていたりするが彼の顔は綺麗なまま
相手に同情しつつ観戦していると、彼の撃った羽根が相手の横を抜け、地面に落ちる
「すげえ!10人抜きだ!」
「お兄さん殿堂入りだよ!」
「こっちで賞品あげるから来な!おいで!」
どんだけやってたんだと思いながら彼の賞品を受け取る姿をみんなと眺めていると、これだけ目立つ集団なので征十郎が気づき手を振ってきた