第42章 冬休み
「名前っちー!」
『ぐぇ』
「みんなもいるんスね!あけおめっス!」
「はい。明けましておめでとうございます。黄瀬君」
「おー、あけおめ」
「明けましておめでとう!きーちゃん!」
『あけおめ離して』
女の子の視線が痛いが、連れがいることが分かった彼女たちは去っていく
それなら良かったと境内に入ると出店と人もすごいが出店が出ていて色んなにおいが混じった香りがしてきた
「名前さん、りんご飴売ってますよ」
『あたしりんご飴のイメージ付いてるんだ…うーん…まあいいや、買ってくるよ』
「一緒行くっス!」
「オレは焼きそば買って来るわ」
「ボクまだお腹空いてないんで、待ってます」
「私も、テツ君と一緒に待ってるね」
さつきと一緒にいるなら影の薄いテツヤも安心だろう。ナンパだけ心配だけれど
謎についてきた涼太とりんご飴の屋台の行列に並ぶと、彼は何か聞きたそうな瞳でこちらを見る
「みんなとも約束してたんスか?」
『いや、涼太に会いに行こうとしたら行く途中でバッタリ』
「オレとしか約束してなかったんスか?!」
『あんなに鬼のようにメール送ってくるの涼太くらいだよ』
「名前っち…!」
「あれ~?黄瀬ちん?と名前ちん」
『…紫原、あけおめ?』
「紫原っち!オレもいるっスよ!あけおめ!」
「黄瀬ちんもあけおめー」
たまたま通りかかったのか紫原の腕には屋台で買ったであろう食べ物がたくさん抱えられており、ビニール袋もかかっている
「なにー?りんご飴買うの?オレも食べようかなー」
『一緒に並ぶ?』
「いいのー?ありがと~」
「紫原っちも初詣っスか?」
「ううん、食べ物買いに来た」
『…初詣もしていこうよ』
どうでもいいような会話をしていると順番が来る
大きいりんご飴を紫原の分と合わせて2つ購入しさつきとテツヤが待っているであろう方向に向かおうとすると、それに紫原がついてきた
当初の予定より人数がどんどん増えていくなと考えつつ購入したりんご飴を食べながら戻る