第42章 冬休み
『…どうした?』
「名前ちん」
『うん』
「オレ名前ちん以外に、こんなことしないよ~」
『…それならあたしにもしないでよ』
「名前っち…」
唇を尖らせる紫原に溜め息を吐きながら片づけをしていたはずなのにどうしてこうなったのかと考える
自主練している緑間のシュートが綺麗に決まるのを眺めていると知らぬ間に制服姿の赤い髪が近づいていた
「名前、帰ろうか」
『征十郎ごめん。まだまとめられてないから待ってて』
「構わないよ。黄瀬、紫原、自主練しないなら着替えてこい」
「…はいっス」
「ん~」
そう言う征十郎が持っているスクールバックには今年あたしが誕生日プレゼントにあげたシンプルなストラップがついている
目に入った瞬間使ってもらえているのが嬉しくて心が暖かくなった
「名前っちと会えなくなるの寂しいっス~」
『振り出しに戻すな、早く着替えて帰れ』
「じゃ~ね~、名前ちん良いお年をー」
『じゃあね紫原、良いお年を』
「名前っち~~!!」
『帰れ』
当たりの違いに驚かれそうだが日ごろの行いが違うから仕方ない
今日使った資料をまとめ直し着替えて征十郎と帰った後はもちほん、冬休み中に涼太からのメールが毎日来たのはまた別の話である