第73章 全中を始めよう
翌日、全中初日リーグ戦が始まる
だけれども、問題は観客と選手達だ
「…な、なんスかこれ……
初日から超満員…!?」
「初日からはさすがに初めてじゃないー?」
「…ああ」
「……」
それぞれの緊張で空気が張り詰める中、整列のアナウンスが入り歩き出すキセキ達
「ありゃ?
うわ俺もしかしてキンチョーしてる?」
「あー、こればっかはしょーがねーな」
『大輝と涼太ってば何言ってんの?
精一杯やれば十分だから、プレッシャーがあっても慎重に行ってきな』
とは言えそんなこと言っても特にプレッシャーは変わらない
帝光の選手は優勝しか許されずに、観客やマスコミもそれを期待するあまりに負けも苦戦もダメで、負ければ非難の嵐がおきる
最強だからこそのプレッシャーは、とても重い
「クソ重いギブス着せられるようなもをだ
こればっかりは、天才も凡人も大差ねーよ」
『…虹村先輩が珍しく真面目に語ってる!』
「珍しくは余計だ」
虹村先輩の隣に座って体調管理のバインダーを持ち、試合が始まるのを待つ
ピッと笛が鳴ったとともにボールが上がり、征十郎へとボールが回される
「・・・…」
「…」
「ありゃ」
いくつかのリスクがあったが、涼太にも回せるボールが緑間へと渡り3Pシュートを打った
だがそれはリングに当たった…けど入った
『…精神的に身体が重くなってるみたいだなー』
第1試合は征十郎の慎重なゲームメイクにより、ダイナミックさは欠けるが勝利
続く第2試合も虹村先輩達3年が中心の慎重なゲームメイクにより帝光の勝利
つまり、決勝リーグへの出場が決まったのだ