第41章 治癒の眼
「赤司っち、緑間っち!」
「なんだい?」「なんなのだよ」
「怪我って英語で何て言うんスか?」
「インジュリーだな」
「赤司の言う通りなのだよ」
『…涼太、怪我の眼はやめてね。怪我を招く眼みたいじゃん…その名前』
「えー、じゃあ…」
「…苗字、少しは黄瀬に英語を教えてやるのだよ」
『だって涼太の得意科目英語だから』
「あれは得意科目と言わないのだよ!」
『…どちらかっつーと、国語ができない方が大変だと思うんだけど』
「どっちも問題だろう。それよりも名前、アイスが溶けている」
『あーやば。手がベッタベタなんだけど』
仕方がないのでアイスを一気に口の中に含み、ベタベタの手をウェットティッシュで拭いていく
未だ悩んでいるのか涼太はうーんと頭を抱えており、勉強ってこういう変なところでも役立つし大事なのかなと察する
「治癒っス!」
「…治癒?」
「赤司っち!治癒って英語で何て言うんスか!?」
「…ヒーリング、だが」
「じゃあ、治癒の眼って書いてヒーリングアイっス!」
『…ヒーリングアイ?治癒の眼?』
「そうっス!」
『治癒の眼、ねぇ…』
顎に手を当てて自分の眼を集中させてみると、今まで見えなかった数値や怪我しそうな部位、疲れている部位まで見え始めた
『え、あ、えっと…』
「…名前っち?」
『目が、進化してる』
「あ?メガ進化…? 」
『大輝はもう置いといて、とりあえず能力的なのが進化したっぽい』
「本当!?名前ちゃんすごい!」
『ありがとさつき。でさ、紫原になんだけど』
「ん~、なにー?」
『少しの間練習はストレッチだけにしてね、このまま練習を続けたら成長痛が起こるかも』
涼太が命名した治癒の眼により分かったのは、紫原の膝の負担がすごいこと
そう言えば彼はウィンターカップの準々決勝で跳べなくなるという出来事があったことを思い出した