第41章 治癒の眼
その日の練習試合はダブルスコアで勝利し帰り道、相手校からもらったアイスを食べかつ喋りながら1軍のメンバーと歩く
「てことで、名前っちの異名がバスケ部の聖母になったっス!」
『なってない』
「苗字は聖母って柄じゃねーだろ」
「聖母か…名前に似合っているんじゃないか?」
『いやどこがだよ。むしろ大輝の言う通りだわ』
「そうっスか?ピッタリだと思うんスけど…」
『あたしのどこ見たらそうなるんだよ…』
「名前っちの全部っス!」
『…』
涼太の言動に呆れた溜め息を吐いてアイスを一口食べる
他のみんなは食べるのが素早く、さつきと2人まだ全然残っているのをなんとか消費する
「あ、当たりました」
「黒ちんまた当たったの~?いいなー」
「桃井さん、良かったらどうぞ」
「ほ、本当に!?」
「はい」
「ありがとうテツ君!」
テツヤからもらったアイスの棒をジッと幸せそうに見つめるさつきの片手にはまだアイスが残っている
しかしこの時期のアイスは冷たいなと冬が近づいているのを感じ取っていると、紫原がこちらをじーっと見つめていることに気が付く
「そう言えばさ~、名前ちんのその眼に能力みたいなのあるじゃ~ん?
それの名前とかないのー?」
『今度は眼に命名しろと…?』
「オレがつけたいっス!」
『勝手にどうぞ』
横では涼太が必死に頭を抱えて悩んでいるが、いずれ命名される完全無欠の模倣(パーフェクトコピー)とか破壊の鉄槌(トールハンマー)は一体誰が名付けてどうやって採用されたのかと不思議になってきた