第40章 キセキたちの救出
『理事長が私を退学させるなら、私はこの学校の敵になりますね』
「…なんだと?」
『権力はふるいたくなかったのですが…仕方ないですよね。理事長が権力振るうんですから
きっと両親も赤司君のお父さんも私側についてくれると思います』
「赤司は分かる。しかし苗字とはただの無名の家ではないか!」
『私、拾われた子ですよ?その家の名字を知ってますか?』
「…どこだというんだ」
『橙崎です』
あたしの言葉に一転変わって勝ち誇った笑みから焦った顔に変える理事長は滑稽で、見ていて面白かった
征十郎のお父さんは約束してくれたのだ。あたしも間違ったことを正すためならこのくらい脅しに使わせてもらってもいいだろうと考える
「橙崎とは…あの赤司と並ぶ名家の…」
『はい。その2つの家が敵に並んだとき、帝光中はどうなってると思いますか?
それでもあの5人を、試合に出せと言うんですか?』
「…時間を取らせて悪かったな苗字君」
『はい。じゃあ失礼しますね』
我ながらなんて性格が悪いんだろうかと思いながら、狸にはもったいないほどの笑みを浮かべて扉を閉めた
もし雪さん達にバレたら謝らなきゃいけないと考えるが、理事長が何か言うこともないだろう
これでもう一安心かと安堵の溜め息を吐き体育館に近づくと聞こえてきたバッシュの音。今日からは大輝もいると思うと、なんだか口元が緩んでしまう
『戻ったよー』
「名前ちゃん!さっき1軍と練習試合組みたい。って言う人が来てて、今コーチに相手してもらってるんだけど」
『了解。ありがとさつき』
「大丈夫?名前ちゃん…最近忙しそうだけど…」
『大丈夫。帝光祭のときみたいに無理はしないよ』
でも恐らく今日までだ。もう火神との1on1には同行しなくてもいいだろうし、理事長もよほどの事じゃない限り呼び出しはしないだろう
さつきから相手の中学校の名前を聞いてから相手校の監督が待っているというところへと歩き出すと、真田コーチが相手してくれていたらしく2人で話していた