第39章 青色の救出
『どう大輝。火神君は』
「まあまあだな」
『そりゃまだ才能開花してないからなんだけど』
「あ?こいつに才能なんてあんのかよ」
「てめぇ…」
『はいはいストップ。火神君の才能はジャンプ力だから、しっかり足腰鍛えれば開花するって』
「オレの才能がジャンプ力…?」
左手のハンドリングも、と思ったがそこまで言うのはやめた方がいいかと口を噤む
持っている携帯で「足腰鍛える」と検索して簡単にできそうなものを探すと、色々なものが出てきた
『あ、これだスクワットしなスクワット』
「…スクワット?」
『足腰鍛えられるみたいだからね。そこら辺はあんま詳しくないんだごめん』
「なぁ苗字、もうオレ帰っていいか?」
『ったく仕方ないなぁ。火神君ありがとう。また相手してあげて』
「オレの気が向いたらな」
「んだとぜってえギャフンと言わせてやるからな!」
『大輝、素直になんなって』
火神と別れ、先日までと比べ表情が明るい気がする大輝に話しかける
いつも会話して帰っているがバスケに関わる話、バスケ部の話は避けてきた
だが今日なら聞ける気がしたので踏み込んでみることにする
『テツヤには謝った?』
「謝れてねーよ」
『謝りたいと、思ってる?』
「…少しな」
『…そりゃね、後悔してくれなきゃ困るよ』
遠い目をしている大輝の話を聞き、それに相づちを打っていく
話題が1on1にならないことを不思議に思って口に出そうとすると、先に大輝がその話を持ち出してきた