第38章 マネージャー辞めます
『ごめんねテツヤ連れ出して』
「…いえ、名前さんのせいではありません。ボクは青峰君を…」
『大丈夫だよ。テツヤはちゃんと話せたでしょ?』
「はい、けど」
『ほらテツヤ、おいで。肩貸してあげるよ』
そう言った瞬間にテツヤが飛び込んでくる
前はあたしの方が大きかったけども抜かされちゃったかな、なんていつか誰かにも思った母親のようなことを思いながら子供をあやすように彼の背中をぽんぽんと叩く
『…大輝のことは、あたしに任せてくれないかな』
「名前さんにですか…?」
『でも、あたしの力だけじゃ足りないから少し力を貸してほしい。一緒に頑張ろ?』
「それで…青峰君を救えますか?」
『自信はあるよ』
「…なら、名前さんと一緒にがんばります」
『おし、じゃあ帝光中戻ろ!』
「…はい!」
そう言ったテツヤの手を握り、行きとは違って歩いて帰る。たまには雨に当たるのも悪くない
戻ると既に練習は終わっており、征十郎が1人自主練をしていた
『征十郎』
「名前、黒子」
「すみません赤司君…ボクは青峰君を戻せませんでした」
「…そうか」
「でも、ボク1人でダメだっただけです。今度はみんなで青峰君を連れ戻します」
「そうだね、最悪の場合退部だ」
『マイちゃんの写真集燃やす?』
「それは違う意味で来なくなりそうです」
征十郎からタオルを借り3人で笑う。寒さか緊張か震える手を大丈夫だと言い聞かせ、着替えて帰ることにした