第38章 マネージャー辞めます
「何でっスか名前っち!何か不満でもあったんスか?」
「部活中までマネージャーだったのにどうして辞めたのだよ!」
『真田監督に許しはちゃんともらった』
「何でっスか監督!」
「…私はもう、監督ではない」
「…え?」
『苗字 名前、今日から帝光中バスケ部の監督になります』
出来るならこんなびしょ濡れの姿で言いたかったなと雑念を考えながら彼らに言うと、予想していなかった言葉に体育館に声が響く
「名前っち、監督って」
『涼太ストップ。とりあえず征十郎に紫原1on1やめてね、さつきはホワイトボード消しといて』
「名前、どういうつもりだ」
『この間約束したでしょ』
「…だが、こんな形になるとは」
『紫原、ちゃんと大輝も練習出るようにするから明日からもちゃんと練習出てね?』
「…峰ちんが来るならねー」
「青峰君は、どうするの?」
『あいつはライバルが欲しいんでしょ?出てくるのは早くなっちゃうけど、1人アテがある』
征十郎のお父さんか雨さんに頼んで転勤してきてもらおうかと考える
本来ならもう少し遅いし…私情挟んで転勤してもらうなんて本当はダメなんだろうが、取引先のどうしてもの都合とか傘下じゃなくてもなんとか指定することは出来ないのかと考える
『じゃあ、着替えてきます』
「あ、ああ」
さっそく職務放棄をして帝光中を抜け出し走り回ってテツヤを探し始めた
しばらく走っていると輝と色々あった橋からそう遠くない場所で俯きながらとぼとぼと歩く彼を見つける
駆け寄ると、その頬には雨とは別の水が目から溢れていた