第68章 答えあわせを
あたしとテツヤに気づかず、どんどん林の道へと進んでいく男
その男の後ろを息を潜めておいかけるあたし達
しばらくすると茂みの奥から男に声がかかり、彼らは木の下でしゃがみこみ円陣を作った
『…これじゃ、話が聞けないね』
「そうですね…あそこの木に隠れましょう」
『了解』
少し近づいてみると、会話がよく聞こえてきて、せーのっ!と言う掛け声と共に男達は立ち上がった
その瞬間、いかつい男達の顔がつぶらな瞳のアニメキャラクターによって隠されていた
「なんでこんな絵柄選ぶんだよ!」
「だって、こんなんしか売ってなかったんだよ!」
「だーはっはっはっはっ!
やべー!体ごついのに、顔がアニメって、キモイ!」
「おめーだってキモいぞ!」
「ばかっ、静かにしろ!」
「!!」
「…聞かれたか?」
あたし達に気づいてないみたいで、ふぅと安堵の溜め息を吐く
しばらくすると、かさりかさりと落ち葉を踏む音がしてきて、まさかと思いそっちの方向を見てみるとさつきが熊を抱いて歩いていた
『さつき!』
「…#NAME1#さんは先に歩いてて下さい」
バッとくまを取られているさつきがいて、そこにテツヤが近づいていった
あたしは少し先の場所に行き、テツヤ達を誘導しようと思う
「…いえ、返してもらいます」
「んあ?」
「大丈夫ですか、桃井さん」
『さつき、テツヤと一緒にこっちに走ってきて!
逃げるよ!』
「テツくん!#NAME1#!」
テツヤとさつきの10mくらい前を走り、道を空けていく
後ろではスーパーボールを投げて戦ったりと色々あるようだが、残念ながらあたしは後ろを見ている暇がない
『あっ!』
慣れない下駄がここで不幸にでてしまい、下駄が脱げて飛んでいってしまったのと同時に自分が前へと倒れていく
「#NAME1#さん!」
ど、どうしよう!
今支えてくれる人とかいないのに、転んだらテツヤ達に迷惑かかっちゃうのに!