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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第37章 新体制と赤司家





「3人だった頃までは戻れないが…少しずつ親子らしいことはしている。君のおかげだ」

『いや…あの、生意気なこと言ったなって思ってたんですけど』

「人が間違えていたら、間違っていると言わなければ気が付けないんだ」


目の前が明るくなった気がした
そうだ。間違っているなら正せばいいんだと、なぜ簡単なことが気がつけなかったのかと心が軽くなる

食器が下げられ、軽く話をしたところでお開きとなった

立ち上がろうとすると征十郎が先に立ち上がり、「肌寒いだろうから上着持って来るよ」と彼はどこかへと言ってしまう

気を遣ったのか、それとも本当に上着を取りに行ったのか分からないが友人のお父さんと2人きり。少しきまずい空間だ


『今日はありがとうございます。ごちそうさまでした』

「また来てくれ。ぜひ話をしよう」

『…ぜひ』

「もしも橙崎や学校で何かあれば相談してくれ、力になる」


そう言われて下げていた頭を上げて彼の瞳を見る

今やろうとしてることに、力があるならあるに越したことはない。もしも赤司の力も添えてくれるのであれば、心強い


『あの、もし、もし出来たらなんですけど』

「なんだ?」

『…学校で私がなにかやっちゃったりしたら、味方してくれますか?』


目を見開いてから口元に弧を描きほほ笑む彼の表情、いや雰囲気まで、今は席を外している息子にそっくりだ


「君のすることなら間違いないだろう。味方するよ」

『…ありがとうございます!』

「何かする予定なのか?」

『ちょっと…やってみたいことがあって…私1人じゃ出来ないから後ろ盾が欲しいなって』

「なれるものならなるよ。任せてほしい」


これで安心だと考えていると白い箱と薄手の上着を持った征十郎が現れる

気を遣ったわけでなく本当に取りに行っていたのかと考えていると、彼がそのまま近づいてくる


「名前、手土産のケーキだ」

『いらんいらん、待って本当にいりませんって!』

「いや持って帰ってくれ。雨君にもよろしく頼むと」

『大丈夫ですって』

「持って帰ってもらわないと困るんだ」

『…はい』


征十郎の変に押しが強いところは父親譲りなのかと急に納得する

わざわざケーキなんていいのにと、白い箱を受け取った





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