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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第37章 新体制と赤司家





「名前ちゃんありがとう。やっぱり1人だと大変だね」

『ううん。好きでやっただけだから、気にしないで』

「…ムッ君の成長速度、名前ちゃんはどう思う?」

『分かるよさつき、怖いよね』

「…うん」

『大丈夫。何とかなるよ』


根拠はないがさつきを不安にさせるようなことはしたくなかったので、こう言うしかない

彼女は「そうだよね」とどこか影のある笑顔を浮かべる。こんな顔をさせたいわけではないのに、どうしてこうなってしまうんだろう

選手たちは帰ってしまい、テツヤとさつきが一緒に帰るのを見送り征十郎と2人並んで彼の家に向かって歩く
到着するとわざわざ出迎えられてしまった


「先日の体育祭では世話になったね」

『いえこちらこそ、借り物競争ではお世話になりまして』

「あれはいい経験だった。すまないね、忙しいところ来てもらって」

『いや、部活以外やることないんで気にしないでもらって…』

「征十郎から何でも食べると聞いていたが嫌いなものはなかったかな」

『…何でも食べます』


征十郎のお父さんにも出迎えられ、どうして呼ばれたのかが分からず困ってしまう

急に態度が変わりすぎじゃないか、実は裏では歯向かったあたしを恨んでいてシメられるんじゃないかと心配になるほど


「名前、こっちだよ」

『…お邪魔します』


高そうな時計や甲冑が置かれた部屋に征十郎と彼のお父さんを前に座らされる

なんだ面接でもするのかと思いながら、出てきたおしぼりで手を拭かせてもらった

だが昔、この部屋で征十郎のお母さんと3人でご飯を食べたことを思い出す。バスケの試合帰りに「食べてって」と言われたのだ

なんだ、今と状況が変わらないじゃないかと1人で笑ってしまう







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