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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第37章 新体制と赤司家





そして新体制になってから初めての練習試合、帯同マネージャーにはさつきが選ばれたが、気になったのでついていくことにした

試合は第3Qで40点帝光がリードしている。気を抜かない限り何も問題ないだろうと試合を見る


「リターン!」


パスを受けた紫原に征十郎がボールを戻すよう指示を出す
だが紫原は彼にボールを回さずマークが2人ついたまま、体を回転させながらダンクを決めた


「うわあああすげえダンク!シャックかよ!?」

「あんなん止められるわけねぇー!!」

「紫原、決めたからいいが今のはお前に2人ついていた。オレに戻した方がより確実だったはずだぞ」

「あー…そう?まーいーじゃん。別に決めたんだし」


明らかに急成長を見せる紫原にさつきが何かを恐れているのが分かる。答えは知っている

彼も大輝と同じようになるんじゃないかと、心配しているのだろう

事実、現在征十郎と涼太以外は自分の急成長に気が付いている。緑間も自主練で3Pラインより後ろで撃ち、入ったのを自分で驚いているはずだ


『…まあ、良くないよなあ』


雰囲気が良くないのは誰が見たって分かる
そんな帝光はいつも通り勝利を収め選手たちがベンチに戻ってくる

涼太がこちらに気が付きピースをしてきたので手を振り返すと、ベンチをスルーした征十郎がこちらに歩いてくる


「名前」

『…征十郎、お疲れ様?』

「ありがとう。名前に話があってね」

『うん…何?』


この状況を何とかするために手伝ってほしいとかそういうことかと思い、覚悟を決める

変えられるためならなんだってするつもりだ。言いにくそうな彼は一度目線を落としてから口を開く


「父さんが、夕飯食べに来ないかと」

『…は?』

「雪さんには伝え済みだ」

『待って思ってたのと違うし、なんで先にあたしに言わない?別にいいけどさ』


ストレートが来ると思っていたら後ろからボールをぶつけられたくらい驚いていると、征十郎は「すまない」と一言謝ってベンチに戻ってしまった

今日の練習試合帯同でもないが、さつきが大変そうなので彼女を手伝いながら彼を待つことにした






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