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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第37章 新体制と赤司家





体育祭が終わり帝光バスケ部も1軍、2軍ともに3年生が抜けた分昇格してきた人物が入り新体制となった

この間2軍から上がってきたばかりの子が、先日の体育祭と違いやる気が感じられない大輝の前に立ちはだかる


「あっ」


だが大輝はどこか真剣さが足りない状態で彼抜き、紫原へとパスを回す


「おおっ、だがヘルプも早い!」

「………」

「え?」

「うおっ!?」


ボールを受け取った紫原にヘルプが来てシュートブロックのため跳ぶが、彼はヘルプを気にせずそのままスピンしゴールを決める


「うおお、ナイッシュー」

「あの巨体でなんつー動きだ」

「ちょっ…紫原っち、今のスピン相当早くないっスか?」

「んー…そう?テキトーにやっただけだけど…けどなんかー…力が湧いてしょーがないんだよね~
本気出したらつい味方でもヒネリつぶしちゃうかもしんない」

「……へぇ」


運動している汗とは違う汗をかいている涼太と、その光景を見ながら何かを考える征十郎を見る

何を考えているんだろうと、様子を見ていると「おいお前!」と先ほど大輝が簡単に抜いた男の子に声をかけた


「いくらなんでもあっさり抜かれすぎだろーが、もっと気ィ入れて守れよ!!」

「えっいや…やってるよ…全力で!!それより青峰君のが速すぎるんだって!!」

「ああ!?だからって…~っチッ」


返答が気に入らなかったのか、舌打ちをして練習を再開し始めた大輝にテツヤが声を掛けようとするが、元気なさそうに伸ばしていた手を下ろす

その後の練習もどこか不穏な空気が流れており、あたしもどうすれば良いのか分からない

どうするのが正解なのかと考えていると、練習は終了してしまう


「監督…理事長がお呼びだそうです」

「…わかった」


この状況を真田監督も良くないと分かっているのか悩んでいるようだったが、理事長に呼ばれ体育館を去ってしまう

分かっている。彼らを特別扱いしろという指示が出されるのだ

そんなものを止める権限は彼もないだろう。所詮サラリーマンの彼は、上が白だと言ったら黒も白にするのだと思う


『…はあ』


征十郎と虹村先輩は親の事だったので何とか出来たが、バスケ部の事となるとどうしようも出来ない

そんなもどかしさにイライラしながら、ドリンクの片付けを始めた






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