第66章 夏祭りですね
夏祭りの会場へとやってきてしばらくしてからのこと、やはり紫原は背のこともありかなり目を引くわけで
それに伴いあたしと征十郎も目をひいていた
「あ、黒ちんだー
あれ、さっちんも居るんだねー」
『テツヤにさつき?』
あ、小説ネタに突入したなー。と少し記憶が戻ってきた感覚がした
紫原はずんずん人混みを掻き分けていくので、あたしと征十郎は手を繋いでいるために一緒に進まなければいけないのだ
「黒子、桃井
こんな所で会うとはな」
『昨日ぶりだね
まあ夏休みも練習で会うんだろうけど』
「赤司くんと紫原くんと#NAME1#さんで一緒に遊びに来たんですか?」
「ううん。たまたまそこで会ったんだよー」
『あたしと征十郎は約束してね』
「赤ちんは、これから将棋の大会に出るんだってー」
「将棋の大会?
ここでやってるの?」
「知り合いに出てくれと頼まれたんだ
参加者を確保したいらしい」
「面白そうな対戦相手がいるのですか?」
「さぁ……」
そう言って目を細める征十郎
そして腕時計をちらりと見て時間を確認するような素振りを見せる
…腕時計なんてつけてたんだ
「そろそろ始まる時刻だ
……#NAME1#、紫原、あとで連絡する」
『あ…、またね』
「うん。よろしくね~」
征十郎と繋いでいた手が離れたことが名残惜しかったのは、きっとその温もりのせい