第66章 夏祭りですね
「赤ちーん、#NAME1#ちーん」
『紫原、甚平なんだ
似合ってるよ』
「…何で手繋いで歩いてんの~?」
「#NAME1#がよく転ぶからね」
『おっしゃる通りです』
「ふ~ん」
紫原はそのことに興味がないように見えたのだが、まさかの征十郎と繋いでる手とは逆の手を取って並んで歩き出した
『…どゆこと?』
「俺だけ仲間外れとか許さねぇしー」
「じゃあ俺と手を繋ぐかい?」
「赤ちんが冗談言うなんて珍しー…」
『本当、熱でもあるのかね』
「失礼だね
ちゃんと健康だよ」
それを聞いた紫原は、いつもの赤ちんだ~。と呟いて手に持っていたまいう棒を食べ始めた
それに対して征十郎は、いつものとは何だ。とクスクス口元を押さえて笑い出した
「それはそうと紫原、これから俺は将棋の大会に出ることになっていてね
優勝商品の中にお菓子の詰め合わせがあるのだが」
「本当~?
もらうもらうー」
『優勝すること前提なんだね…』
「赤ちんが負けるとは思えねぇしー」
『…まあ、そうなんだけど』
両手に繋いでいる手に感じている温もりが、まるで母親と父親繋いでいるような感覚がした
それを懐かしいと感じたのは、その2人だったからだと思う