第66章 夏祭りですね
『えっと、こうで…』
淡いピンク色の帯を手にして目の前にはPCの画面
そんな光景ももうすぐ10分は経とうとしている
着る機会が1年に1度程度のため、帯の結び方が毎年あやふやなのを記憶から思い出す
『去年は#NAME4#さんが居たからなぁ』
今年はこんな日にまで仕事らしく、お昼頃から家を開けている
その前にあたしの髪をバッチリ決めてから仕事に行ったけれど
ちなみに#NAME4#さんがしてくれた髪型はお団子と、定番の物だ
「#NAME1#」
『うぉえい!征十郎!?
あ、竜の絵柄似合ってるよ、じゃなくて!
どっからいつ入ってきた!?』
「先ほどチャイムを鳴らしたのだが、出てこなかったからね
不本意ながら入らせてもらったよ」
『あ、ちょうど良いや
征十郎は帯結べる?結んで欲しいんだけど…』
「ああ、では少々失礼するよ」
スッとあたしの両脇に腕を入れてから帯を結び出す征十郎
その様子はとても手際が良く、見惚れるほどであった
「前を押さえててくれないか
でないと紐で結んでいるとは言え、はだけてしまうだろう?」
『りょ、了解』
サッと帯を綺麗に結んで形を整えてもらい終わったら、どこからか来ていたプレッシャーから解放された気がした