第6章 帝光祭
「興味がある。その優勝賞品とやらに」
『…ああね、優勝賞品何か知ってるの?』
「今年は伏せられている。さぞいいものなんじゃないかな」
『うん、分かった。でもあたしは出たくないかな』
「じゃあその賞品をどうするか、#NAME1#が決めていいことにしよう」
そうなると話が変わってくる。彼が出れば優勝は間違いないだろう
それにここで負ければ後に語られる赤司無敗伝説というものがなくなるかもしれないと、どっちに転んでもあたしに損はないと気が付く
『…じゃあ、出ようかな』
「よろしく頼むよ」
午後の予定が決まったところで、模擬店を回り始める
フードファイトでもやってんのかと思うくらい食べ回る紫原、占星術研究会のあたりでラッキーアイテムを持っている緑間、やる気のなさからクラスから追い出され昼寝をしている青峰を見かけた
ちょうど店番の時間だと言っていたさつきのクラスに顔を出す
「#NAME1#ちゃーん来てくれたんだね!」
『うん。ところでここは何やってるの?』
「ご当地もののお菓子売ってるよ!これとこれが美味しいよ」
『じゃあそれ買ってく』
学園祭らしいものになんとなく心が落ち着き、小分けになっていたお菓子を買って出ていく
食べながらふとスタンプラリーに出るのであれば身軽な方がいいかと、荷物を置きに教室に戻ると人が少なかった
だが、少ない人の中飛んでくるのが1人いた
「#NAME1#っちー!」
『涼太、もう衣装着てるの?』
「似合うっスかーまあオレ出番最後だけなんスけどね!」
『へー』
「オレ#NAME1#っちとスタンプラリー出たかったっス…」
『殺される…』
白雪姫の舞台は午後のスタンプラリーの後の時間
主役の黄瀬はそれのおかげで女の子からスタンプラリー出ようと誘われても断っているそう
彼と出ることになっていたら黄瀬のファンからとんでもないことにされていたと一命を取り留めていることに気づく
「来年は一緒に出よ!ね!」
『え、やだ…』
「そんな表情変わるほど嫌なんスか…傷つくんスけど…」
『ごめん、もう行かないと』
「#NAME1#っちぃ…」
涙を流す涼太は置いていき、征十郎との約束の時間が迫っているので校庭に向かう
赤い髪がとても分かりやすく、すぐに見つけることが出来た