第6章 帝光祭
じめじめしてテンションが下がる梅雨がやってきた
だが珍しく今日は快晴。みんなテンションが高く盛り上がっている
なぜなら今日は帝光中学校創立記念日兼、学園祭だから
そんな帝光祭が近づき耳に入るのはクイズ研主催のスタンプラリーの話ばかり
クイズ研究会主催のスタンプラリーで優勝すると幸せになれるとかそんな噂が始まる前から1日に3回はどこかで話題になっているし、今日も既に耳にしていた
『優勝すれば幸せになれるなんてオーバーな…』
クイズ研究会自らその噂を流して参加者を募っているのではなんて疑ってしまう
学園祭と言ってもあたしにやることはない。本当は飲食店がやりたかったらしいが上級生優先という噂のため、ならもう当日ほとんど動かなくて済む劇をやろうとなんともやる気のない発想でクラスの出し物が決まった
『征十郎、王子様やればよかったのに』
「それなら#NAME1#も白雪姫やればよかったじゃないか」
『パス』
あたしと征十郎は準備担当だったため、今日の仕事は特に何もない
王子役に抜擢されたのは「モデルをやってる黄瀬君しかいない」と涼太が抜擢され、今回は巻き込まれずに済んで良かった
そんなことを考えながらプログラムで各クラスや部活が何をしているか見ていると、いつの間にか隣に赤い髪が立っていたのだ
「#NAME1#」
『ん?』
「スタンプラリー、一緒に出ないか?」
『…は?』
「スタンプラリーを一緒に出ないかと言っているのだが」
『いや、聞こえてるって。そこは聞いて分かったけど、なんで?あたし?』
確かにペアでの出場のみ!と注意書きがされているし、そのスタンプラリーに男女で出場し優勝すると幸せなカップルになれるとはここ最近もちきりの話題である
ただの噂、そうだと自分は思っていても彼は分からない。これで彼がその気だったらどうしようと動悸が速くなっていく