第36章 こんな時に体育祭?
「苗字、これお前のハチマキな」
『ありがとうございます』
もらったハチマキをおでこの方で結ぶ女子は少ないため、去年と同じくカチューシャ風に結ぶ
「黄瀬と紫原もほら、受けとれ」
「どーもっス」
「ん~」
『虹村先輩あれですか、雑用係とかやってるんですか』
「何言ってんスか名前っち!主将、赤組の団長っスよ」
「え~、オレ知らなかったー」
『あたしも知らなかったー』
「…お前ら事前練習の時とかの挨拶聞いてなかったのかよ」
『疲れちゃって』
「面倒だから~」
あたしと紫原の発言に頭を抱える虹村先輩は「やっぱこいつらまとめらんねぇ…」と呟いてからハチマキを配りにまたどこかへ行ってしまった
『虹村先輩が団長かぁ…』
「別に誰が団長でも変わんないでしょ~」
『いや変わるよ』
熱血な虹村先輩とは反対に涼太と紫原というゆるい感じの雰囲気のまま、開会式が執り行われる
そのまま順番に行われていく競技を応援していると、アナウンスが響く
「ただいまより、騎馬戦を行います。出場する男子全員はー…」
「あー、オレ行かなきゃ~」
「名前っち、行ってくるっスちゃんと見てて!」
『頑張ってー紫原ー!』
「オレは!?」
『冗談だから早く行ってこい』
「…はいっス!」
騎馬戦にて赤組は高成績ではあるが、2年男子はやはり征十郎のいる組に負けてしまう
まったくこんな時まで彼の謎のパワーを発揮しないでほしいと考えし、3年男子は虹村先輩が馬側で頑張っていたのでそれを小さく応援した