第36章 こんな時に体育祭?
「名前っちの髪、キレイなオレンジ色になっちゃったっスね。目もキレイなグラデーションだし」
『それみんなから言われるんだよね…しかも、体調確認すると眼の色変わるらしい』
「そうなんスか?」
『うん。前は使うとオレンジだったんだけど』
「オレも見てみたいっス!」
『んー…オッケ』
少し眼に意識を集中させて涼太を見る。体調などに悪い場所はないようで何の情報も得ることはないまま入れていた力を解く
「黄緑、っスね」
『…黄緑?また中途半端な…』
「でも今はやっぱピンクから黄色のグラデーションっスね」
『…へぇ』
「ほら!前向いて!」
『向かせたの誰じゃ』
涼太にされるがまま終わるのを待っていると、去年と同様後ろに髪をひとまとめにされる
手で仰ぎながら待っていると、そこまで時間はかからずヘアゴムでとめられた
「できたっス!」
『去年もポニーテールじゃなかった?』
「ちがうって!今年は流行りの玉ねぎヘアーっスよ」
『玉ねぎ…?大丈夫崩れない?』
「大丈夫っス!ちゃーんと崩れにくいやり方も調べてきたんスから」
『わざわざ調べたの?』
「もちろんっスよ!」
結んでいるのに髪に重さを感じつつ、前に持ってきて確認すると確かに連なった玉ねぎみたいな髪型になっていた
わざわざ調べて道具まで用意してきてくれたのかと、心が温かい気持ちになる
『涼太』
「なんスか?」
『髪、ありがと』
「名前っちなら、いつでも結んであげるっスよ!」
ニッコリと笑う彼の笑顔は去年と変わらなかった
去年の二の舞になるわけになりたくないあたしは用事も済んだので応援席に向かう途中紫原と合流し、一緒に赤組の集合場所に来た
そこで虹村先輩がハチマキを配っており、差し出してくる