第62章 過去最強と初戦突破
バッシュのスキール音が響く体育館で、あたしはいつも通りに先週の体調管理をしていた
…熱気すごいなー
こんな暑さだと運動してようがしてまいが汗かくわ
そう思いながらいつものごとくバインダーで風を送る
『あつーい』
「みんな全中前だからね」
『そうなんだけど、熱気がすごすぎて…』
目に力をいれ集中させているせいか、ふと耳に監督とコーチの会話が耳に入ってきた
…原作の会話だ
「だいぶまとまってきましたね
士気も高く良い仕上がりかと…」
「ああ。すばらしいチームだ
これならワシは座ってるだけでよさそうだ」
「そういうわけにはいきません」
「わかってる
相変わらず冗談が通じんな真田」
「すみません
ただそうおっしゃりたくなる気持ちはわかります
虹村達3年はもちろん、赤司達2年生の完成度はもはや中学生を完全に超えている
過去最強であることは間違いないでしょう」
「…フム、完成度…か
その言い方ならばむしろ逆だと思うがね」
「?」
「まだ発展途上だ
彼らの才能はあんものではない」
「!」
「末恐ろしい子達だよ
誰が言ったか知らんが、〔キセキの世代〕とはよく言ったもんだ」
「過去最強とはまったくその通りだ
類いまれな才能を持つスタメン、経験豊富3年によるベンチ
スカウティング、体調管理に長けたマネージャー
そして意外性を持った6人目」
…その中にあたしも入ってるんだ
まあ、嬉しくないわけじゃない
「優勝以外ありえん
これは決意でなく、確信だ」