第61章 カナヅチで何が悪い
『あ』
そう考え事をしていたのがいけないのか、プールの底で足が滑り水の中へと引き込まれる
あたしって、転んだりすること多いかも
『(水中から出なきゃ)』
目を開けて前を向くと、あたしの手首を掴んでいるテツヤと目があった
スッと手を引かれて水中から出る
そうすると「心配」という表情をした涼太と紫原が居た
「#NAME1#っち!
溺れたみたいッスけど大丈夫ッスか!?」
『水は吸い込んでないから大丈夫
テツヤもありがとね』
「助けることができて良かったです」
「急に消えたからビックリした~」
『ん、ごめん
足が滑った』
「プールだとそれがあるんスよねー…」
『海だったらなー』
「それッスよ!」
『…は?』
「え、黄瀬ちんどうしたの~」
涼太の急な発言に少々驚くあたしと紫原、それに対し涼太の表情はニコニコしている
「今度、海行かないッスか?」
『「海?」』
「もうすぐ夏休みで全中だけど~」
「その夏休みに行くんスよ!」
『…楽しそう!』
「#NAME1#さんが行くなら僕も行きます」
『よし、一緒に行こうテツヤ』
「もちろんです」