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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第34章 全中と決意






休憩時間終了後、テツヤはお願いをするため監督に話しかける

前半戦に比べずいぶんと良い顔になったと、知っている通りの展開に口角が上がった


「後半…ボクにいかせてもらえませんか?」

「うっわ珍しー黒子っちからあんなこと言うなんて」

「というか、初めてなのだよ」

「…フム、わかった。行ってこい」

『頑張ってね、テツヤ』

「はい。頑張ります」

「それと青峰、4ファウルだがあえて出てもらうぞ。後半開始から攻める」


後半戦が始まる直前、選手たちを集めさつきが休憩時間に集めていた情報をみんなに説明する


「…合気道!?」

「はい。あの2人は小学6年生まで合気道をやっていて、天才兄弟として有名で大会でも優勝しています
合気道は宛の呼吸に合わせ力の向きをかえ、いなす武術
ファウルをもらう時のあの間合いとタイミングの上手さはそれによるものだと思います」

「…フム」


さつきからの説明に「前半と休憩の間に調べたのか?」と彼女の情報収集力の高さに驚きの声が上がった

確かに今インターネットは普及しているがまだガラケーと言われるパカパカ携帯の時代だ
そう思うと彼女はどうやってその情報を入手したのか気になってくる


「中学生にしては妙に当たるのが上手いと思ったがそうか…合気道か…」

「どうします?前半同様パスやビッグ&スローで一対一をさけて…」

「いや、おかげで確信が持てた。逆だ。一対一でいけ」
「…!?」

「ただしフェイクを3回以上入れること、小学6年までならバスケを始めたのは中学からの中級者だ
合気道が呼吸を合わせることに長けているなら、バスケットはそれを外してナンボの競技だ
入念にすりつぶせ。何より、やられっぱなしはシャクだろう?」


監督の発言に背中がぞわりとした。そりゃ帝光の監督をやっているんだ負けたら困るのは彼も一緒なはず

シャツを脱ぎ、ユニフォーム姿になった涼太を除いた彼らはコートを見ている


「準備はいいね、行こうか」

「はい」

「おう」


コートに出てきたテツヤを見て観客はどよめいている

確かに貫禄はないかもしれないが、彼がいなかったらどうなるのかは分からない。その小さな背中に心のなかでエールを送った





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