第34章 全中と決意
「うわー、テクニカル!!』
「あっちゅー間に黄瀬ファウル3つー!!」
「ちょっと黄瀬ちーん、カンベンしてよー」
「ファウルをもらうのも技術の1つだ。とは言え…それにここまで特化した選手は始めて見たぜ
あの双子…下手な一流よりやっかいだぜ」
ファウルを3つもらってしまった涼太を1度ベンチに下げられる
この出来事によって必要以上に慎重なプレイを強いられる帝光はペースを落とす
フラストレーションとプレッシャーによる疲労によって、5点差をウチが追いかけることになって休憩に入ってしまった
帝光は26対31で今大会初めて追いかける形になる
そして前半戦で最も良くなかったことは慎重なプレイをしていたにも関わらず、投げやりなプレイを続けた大輝があと1つファウルをもらったら退場になってしまう状態になってしまったことだった
「エース青峰、ファウル4つ目…!」
「おそらく後半はほとんど使えないぞ…!」
「真田…選手と先に控え室に戻っていろ。あとは任せる
青峰、少しここに残れ。少し話そう」
「…!?」
白金監督が大輝とベンチに座り話始める。これが来たなら問題ない
監督が彼に、大輝のバスケを好きな気持ちより才能開花した姿を見たかった気持ちが勝ってしまったこと、彼にその悩みを投げ出さず諦めないでほしいと話をしてくれるはずだ
そんな難しい話、あたしには出来ない。だからここは監督に任せるのが最善なことは間違いない
遅れて帝光の選手たちを追いかけると、テツヤの姿が見えなかった
「黒子はどうした?」
「ちょっと風に当たりたいって…」
「2分したら呼びに行け。この試合青峰もだが、黒子の力も必要となる」
彼も今頃外で荻原君と電話で話している頃だろう。そして大輝と鉢合わせなんとかなるはずだ
そんな姿を想像しながらとりあえずもうここは大丈夫かと一足先に安心し、1人で伸びをした