第34章 全中と決意
その準決勝と同日、今年最後の全中試合つまり決勝が始まる
スタメンはキセキの世代の5人。円陣を組む彼等の周りに先輩が立つ
マネージャーはその輪の中に入ることが出来ないため遠くから見つめ、会話に耳を澄ませる
「これが最後だ、勝てば優勝…そして2連覇となる。何か言うことはあるか?」
「1本でも多く3P決める。それだけなのだよ」
「別に、なんもねーよ」
「んー…早く終わらせてお菓子食べたい」
「なんかみんなバラバラじゃないっスか!?」
「かまわないさ。バラバラのチームが噛み合ってこそのチームだ。共有すべきなのはただ1つだ
そしてそれは全員できている勝つぞ!!」
「「「オオ! 」」」
そこから始まった試合は前の試合と同様の流れを見せる
大輝は横飛びでぶん投げてシュートを決めるが、その行動に嬉しそうな様子はない
「横っ飛びでぶん投げて入る!?」
「メチャクチャなのに…」
「誰も止められない!」
「帝光好調ー!!」
そんな風に呼ばれる大輝の後ろ姿を見つめるのは荻原君の居る明洸中を負かした原因の2人
そんな彼らは、見分けがつかないほどそっくりな双子だった
「いやぁ、強すぎだろやっぱ…」
「反則的だろ」
「ははっ、手も足もでねーわ」
「双子かよ…珍しいな。どんな奴らだ?」
「それが…ほとんどデータがないんです…記録にも目立った点はないんですが…」
「マジか?」
虹村先輩の問いにさつきが答えるが、彼女の情報収集でデータがないのは珍しい
ここで答えを出してもいいのかもしれないが、それで流れが変わってしまうのは困るので何も言わないことにする