第34章 全中と決意
その後試合はダブルスコアで帝光中が勝利したが、ロッカールームでは勝ったとは思えないほど不穏な空気が流れていた
「青峰君っ!!さっき、テツ君と…なんで…」
「うるせーよ、ちょっと外いってくる。1人にしてくれ」
「まさか、イヤな予感がこんな形で当たるとはな…」
「……!」
緑間の言葉が引っ掛かったのか、何かを思い出すように眉間にしわを寄せる涼太
「こーゆー時さー峰ちん追うの、黒ちんじゃないの~?」
「ああ…だが、黒子にもショックなことだったはずだ。今すぐにというのは難しいかもしれない
だがすぐに次の試合が始まってしまう
最悪青峰がベンチでもやるしかない。その後、宿舎で話をしよう」
「黒子っち…」
「すみません、電話です…ちよっと外します」
席を外したテツヤを見て、パッと周りに目を向けて何を話そうか考える
彼らの悪い雰囲気が周りにまで及んでいるのが嫌で、彼らに空気を読まず笑いながら話しかけることにした
『大輝とテツヤのことは大丈夫。ちゃんと2人の仲は戻るから』
「さっきの黒子と青峰の会話を聞いてなかったのか?」
『聞いてた』
「名前っちは心配じゃないんスか?」
『ちゃんと戻る。大丈夫』
「…じゃあ信じるよ」
『ありがとう』
そこまでは大丈夫だと知っているので言い切った。何を根拠にという視線も感じるが分かっているから問題ない
今頃大輝はどこかで昼寝をしているのだろうか、あんな気持ちで昼寝など出来ないだろうからきっと散歩してるか、空を眺めているんだろうと予想する
テツヤは今頃控室の前で明洸中の、荻原君の敗北を聞いているんだろう
すれ違っている彼らのことを想像しながら、次の試合の準備を始めた