第34章 全中と決意
「それではこれより、全国中学校バスケットボール大会を開催します…」
夏休み終わりが近くなってきた日、ついに全中が始まり開会式が始まる
さつきはスカウティングがあるから他校の試合も見たりして分析したりするだろうが、あたしは試合が始まる前から終わるまでの体調管理が主だ
待ち時間することなんてないに等しい
それ以外の時間はドリンク作ったりしてようかなと考えていると、開会式が終わったのかみんなが退場を始める
「はー、おなかへったー早くおやつ食べたいー」
「まだ開会式がおわっただけなのだよ」
そんな短い会話に返事する暇もなく、取材のために人が押し寄せてくる
「インタビューよろしいですか?今年のチームの仕上がりは…」
「連覇にむけて一言お願いします』
「わわっオレらもっスか?」
「まいったなー…動けねー…つか赤司すげーな
動じないどころか、すべて模範解答で慣れたもんだ」
『…虹村先輩テンパってんだろうな』
くるっと虹村先輩がいる方向を見ると、普段からは見れないような焦り方をしていた
本来ここは主将だった征十郎に人が集まっていた気がしたが、今彼は副主将。虹村先輩ほど人は集まっていない
それでもスタメン、レギュラーの選手には少なくとも1人取材がついている。ただし、テツヤを除いて
「うわー今年は特にすごいね」
「そうなんですか?」
「テツ君も気を付けてね!」
「君がうわさの美人マネージャーだね!?ちょっと話を…」
「え!?私っ!?」
報道陣の波に「きゃー」と叫びながら流れていくさつきを無言で見送る
まあ確かに美人マネージャーと言えばさつきだよなとどこか心が傷ついてしまったような感覚を振り払っていると「黒子!」と誰かが呼ぶ声がしたので2人で振り返る