第33章 海に行こう
「名前ちん、面白かったー?」
『やるなら今度プールでやって。足着かなくて怖い』
「そっかーごめんねー」
「オレも!オレも名前っち投げたい!」
『犬は触らないでください』
「ひどい!」
すると彼は何かに気づいたのかピタリと動きを止める
そのままこちらに歩いてきて投げ飛ばされるんじゃないかと身構えたが、あたしの首を指差した
「名前っち、首の紐ほどけかけてるっスよ」
『え、マジか』
「直してあげるっス!」
『征十郎、結んで』
「なんでオレじゃないんスか!?」
『いや、夏祭りの大輝の話聞いたら…何となく』
「そうだよ!青峰君最低なんだから!」
「とばっちりじゃないスかー!!」
いつものノリなのだろう、「ひどいっス!」と言って抱きついてくる涼太の腕の中にすっぽり収まってしまう
『…涼太』
「なんスか?」
『さっきいつもより肌面積が多いからやめてくれって言ったばっかだよね?』
「しかも名前の紐ほどけかけている状態だからね、不審者扱いされてもいい状況だね」
「しかも黄瀬君モデルなんですから、かなり視線集めてますよ」
『…妬みの視線を感じる』
「ご、ごめん名前っち!あー怒んないで!!」
涼太の腕の中から外へと出してもらい、征十郎の前に立つと彼は首の紐を結んでくれる
途中途中、彼の指が首に当たるのがすこしくすぐったい